C-HRオーナーとオーナー予備軍へ贈るコラム-BEYONDエンジニアのC-HRへの超偏愛

2017.11.10

2017年SUV市場の上半期でもっとも売れたクルマ。それがC-HR。トヨタの思い切りのよさが、功を奏したんですね。ではC-HRってどんなクルマ?

C-HRは2016年12月14日、トヨタの次世代世界戦略クロスオーバーSUVとして登場しました。

C-HRとは、Cross Hatch Run-aboutの意味で、街乗りを主体とした、ファッション性豊かなクロスオーバーSUVです。
TNGA(Toyota New Global Architecture)「もっといいクルマをつくろう」との想いを実現するために、クルマの骨格から見直した次世代プラットフォームを採用した、低重心パッケージです。

Response=車両の即応性、Linearity=車両の忠実な応答性、Consistency=車輌の一貫した応答性の3つの特性を徹底的に磨き上げたとしています。

1994年に登場したRAV4は2000年に2代目、2005年に3代目となり、この3代目は2016年に国内販売が終了しました。
そして2016年12月に発売されたC-HRが実質的なRAV4の後継モデルであると考えられます。


【目次】

目次1 SUVが売れているのは知ってるけど、もう一度おさらいをしておきたい
目次2 C-HRと比較されるジャンルの車種とは?
目次3 C-HRの車種構成は2WDがGとS。4WDがG-TとS-Tクラスの4タイプ
目次4 街乗りに向いているのは2WDハイブリッド
目次5 地方やアウトドアに適した4WDガソリン車
目次6 トヨタが思い切ったことをして生まれたC-HR
目次7 周辺パーツメーカーにとって好素材のC-HR


SUVが売れているのは知ってるけど、もう一度おさらいをしておきたい

近年「SUVセグメント(販売台数集計の分類では、ジープ型の四輪駆動車でワゴンとバン・トラックを含む<一部2WDを含む>国産車)」と分類されるジャンルのクルマが、大きく伸びています。

SUVとはSport Utility Vehicle=スポーツ用多目的車を指します。
フレーム構造を持つのが基本とされるSUVのうち、フレーム構造ではなくてモノコック構造を持つ、基本的には乗用車ベースのものを「クロスオーバーSUV(Crossover Utility Vehicle)」と呼んでいます。

かってはSUV=4WDが定番で、頑強なフレーム構造を持ち、「悪路走破性」を追求したクルマが主流でした。

悪路走破性をそれ程必要としない、降雪地帯でもない都心部でも、ドライバーの着座位置が高く、前方視界が良好で、ファッション性を追求したクロスオーバーSUVは、基本的なボディベースが乗用車派生であることから、乗り心地としても評価に耐えるクルマであり、或る程度のシェアを獲得するのは自然な流れでしょう。

このジャンルでは、2013年に発売されたホンダヴェゼルが2014年96,029台、2015年71,021台、2016年73,889台と、3年連続でSUVセグメントでの暦年新車販売台数第1位を獲得しました。

そして、2016年12月に発売されたトヨタC-HRは、2017年1~6月、79,303台と、ホンダヴェゼルを抜いてSUV新車販売台数1位を獲得しました。

特筆すべきは、2017年4月で、C-HRは13,168台と軽を含めた新車販売第1位を達成しています。

C-HRと比較されるジャンルの車種とは?

トヨタの「SUV/クロスカントリー」のジャンルのクルマには「HARRIER」、「C-HR」、「FJ CRUISER」等々がラインナップされています。

また、トヨタのHPには「C-HRを検討している方は以下のクルマも検討しています」として、プリウス、カローラフィールダー、オーリス、アクアが挙げられています。

しかし、実際問題としては、C-HRとこれ等のセダン系車種との比較よりも、上級クラスとの比較の方が一般的だと考えられます。

取引先との関係や、いろいろな事情によってトヨタ車に限定することが求められるユーザーなら、予算規模とかの関係もあるでしょうが、このC-HRより上級車種のHARRIERやレクサスNX200tが比較対象機種となるはずです。

車格イメージをしやすい様に例を挙げれば、マツダのCX-5とCX-3のサイズ比較がHARRIERとC-HRに相当すると考えられます。

自宅車庫スペースとの兼ね合いと、お財布との相談になりますが、トヨタに限定する場合で、予算や車庫に制約があるなら自動的にC-HRとなるでしょうし、その制約を無視できるなら、純粋に用途やデザイン等の好みに従ってチョイスすれば良いと考えられます。

当然、トヨタに限定しないユーザーは、同等クラスのライバル車として、ホンダヴェゼルやマツダCX-3等と比較検討するでしょう。


出典:トヨタサイト

C-HRの車種構成は2WDがGとS。4WDがG-TとS-Tクラスの4タイプ

車種構成は「ハイブリッド2WD」にGとS、「ガソリン4WD」にG-TとS-Tの4タイプが準備されています。
装備的にはGグレードがSグレードより充実しています。
C-HRの車種構成は鮮やかに割り切っていると感心します。

ハイブリッドは2WDのみと割り切り、4WDが欲しければガソリン4WDに限定されます。
ハイブリッドは1797cc+モータの組み合わせで2WDのみ、ガソリンは1196cc+ターボの組み合わせで4WDのみの構成です。
寸法的には全長×全幅は4360㍉×1795㍉と同一ですが、2WDの全高は、1550㍉に対して4WDは1565㍉と15㍉の差があります。
実はこの差は非常に大きいのです。

街乗りに向いているのは2WDハイブリッド

勝手な解釈をすれば、都会地ではハイブリッドの2WDを、降雪地帯や地方都市には4WDを想定した機種構成では無いのかと考えられます。

地方都市の駐車場は平面か、自走式立体駐車場がほとんどですが、都会地の駐車場にはその他にタワーパーキングやパレット式駐車場も結構存在します。
タワーパーキングやパレット式駐車場に収納する場合、一番寸法的な制約があるもの機械装置の場合、全高の制限が1550㍉以下となっています。

都会地では、全高1550㍉超のクルマを受け入れない立体駐車場は結構多く、街に車で出かけた際の利用可能な駐車場が限定されるのは、結構つらいものがあります。

信号機が沢山あって交通量が多く、平均車速も低く、渋滞も頻発する都会地の場合、ハイブリッド車のメリットが得やすく、駐車場での全高制限も回避することも必須要件と考えられます。


出典:トヨタサイト

地方やアウトドアに適した4WDガソリン車

しかし、地方都市のように少し市街地を離れれば、信号機も少なく、クルマの通行量も少ない、平均車速も高めの環境では、都会地とは違ってハイブリッド車の優位性が一般車両と極端に変わらないことになります。

当然、不整地走行や山間部の走行機会も多く、冬場には積雪や路面凍結に遭遇する場面も多いエリアでは、4WDは必須要件となるでしょう。
立体駐車場の比率が低い地方都市では、1550㍉の全高制限があまり影響するとは考えられません。

トヨタが思い切ったことをして生まれたC-HR

昔のトヨタは、シェアが大きい故に、いろいろな面で冒険を避ける傾向がありました。
特にデザインは大きな要素で、一般ユーザーは先ずクルマのデザインから、車種決定の際の予備選択に入るとされる関係から、そのデザインは100人の内50人以上に支持される事が求められました。

他のメーカーでは例えばシェア10%のメーカーなら、100人の内90人は「こんなクルマ誰が買うか!」と罵倒されても、100人の内残りの10人だけが気に入って熱烈に支持してくれれば良いと、割り切ったクルマ造りができました。
トップシェアメーカーのエンジニア、デザイナーの苦労が偲ばれます。

その意味ではこのC-HRは、好き嫌いが極端に分かれるものと思われます。
デザインは最近のトヨタ車に共通した鋭角的な造形で、カタログを参照すると、Distinctive Style=独創的なスタイル、Sensual Tech and Quality=大人の完成に響くインテリア、Desirable Driving=我が意の走り~をキーワードにデザインと走行性能を妥協なく突き詰めた、全く新しいコンパクトクロスオーバーです~とあります。

車体のコンセプトは、「後席の広さは敢えて追求せず、キャビンを絞り込む」として、彫刻的な面造形、ダイヤモンドをモチーフに、強く絞り込んだボディと、外側に大きく張り出したホィールフレアの対比、クーペライクなシルエットを際立たせるボディと一体化したリヤドアハンドルと、強い個性だけれどもいつまでも見飽きないデザインを目指しています。


出典:トヨタサイト

周辺パーツメーカーにとって好素材のC-HR

C-HRは客観的に見れば、デザイン補完パーツ、ドレスアップパーツメーカーの腕の見せ所だといえましょう。

クルマのデザインには、メーカーから発売されたままの状態で、変に余計なパーツを付加するのがはばかれるものと、自分なりにパーツを付加して好みのデザインにより近づけたいと思わせるものがあります。
フェラーリには、何も余計なパーツを付加したいと思わないけれど、ランボルギーニなら、個性をより際立たせる為に、空力パーツの様なものを付加したくなる、そんな感覚です。

局面が主体のデザインのクルマなら、前後のフェンダーをオーバーフェンダーとするか、ブリスターフェンダーにする位しか、思いつきません。

しかし直線主体のデザインのクルマなら、局面デザイン車両へのフェンダー加工箇所以外にも、前後のスポイラーや、エキゾースト系の出口とリヤアンダー部分の処理、リッド上やルーフのスポイラー等、いろんな箇所への変更やパーツ付加が考えられます。

市販車としてもデザイン完成度は高いと云うものの、C-HRは、デザイン付加する素材としての適性も備えていると考えられます。