C-HRオーナーとオーナー予備軍へ贈るコラム-BEYONDエンジニアのC-HRへの超偏愛

2017.11.30

C-HRエクステリア/インテリア編 よく見てみるとコンセプトカーよりもカッコ良いスタイル。それがC-HRの真髄

C-HRがこだわったのは「格好」と「走り」。その中でも「格好」へのこだわりははC-HRのすべてを決めた最も重要なポイントです。


【目次】

目次1 コンセプトカーよりもカッコ良いスタイルはなぜ実現できたのか?
目次2 プリウスとC-HRの受け止められ方の違い
目次3 あれ?インテリアはどうしたのだろうか
目次4 個性がないのはわざと?


コンセプトカーよりもカッコ良いスタイルはなぜ実現できたのか?

デザイン段階で「スピード–クロス」というコンセプトがあったそうですが、オーバーハングを切り詰めて、バックウィンドウも極端に倒して、誰もが「カッコイイ!」と思うデザインになっています。ここまでは、どのクルマも、ある程度はデザイン段階では良くあること。大抵はコンセプトカーではカッコ良くても、生産モデルでは無難な形になるのです。

では、なぜC-HRが最後まで、このカッコ良さを貫き通せたのでしょうか?それはベースとなる「プリウス」があまりにも斬新なスタイルであることも要因の一つになったのでないでしょうか?賛否両論あるものの、「プリウス」のデザインもコンセプトカーかと思うほどの思い切った造形のまま発売され、驚かせられました。その「プリウス」のSUVバージョンとされたC-HRには、「プリウス」以上のカッコよさが必要となりました。

その結果出来上がったC-HRのデザインで最も特徴的なのは、プリウスの”失敗?”にこりずに、好き嫌いが分かれるものになったことです。

プリウスとC-HRの受け止められ方の違い

トヨタといえば、そのデザインに関しては誰もが抵抗なく受け入れられる、悪くいえば印象に残らない無難なデザインが多く、それが多くのユーザーを獲得する要因になっていました。

現行プリウスから始まったトヨタのデザインは、好き嫌いが明確に分かれるような指向性の強いものとなってきました。その為、だれもが抵抗なく受け入れられることが必須であったプリウスでは、予想以上に拒絶反応が起こってしまいました。先進技術満載のハイブリッド車であっても、プリウスのユーザーは意外と保守的であったのです。

しかし、クロスオーバーであるC-HRのターゲットは明快で、若い、もしくはアグレシップなカーライフを求める層であったので、この前衛的なデザインは好意的に受け止められ、”好き嫌い”でいえば”好き”が”嫌い”を圧倒的に上回ったのです。

では次に、そのC-HRのエクステリアを検証してみましょう。

ユーザーの心をつかむフロントグリル

C-HRのイメージを決定つけたのは、なんといっても迫力のあるフロントデザインです。「ガンダム」古くは「地球防衛軍」の特殊車両を思い起こすのは、ある年齢以上の人間だけかもしれませんが、ついでにもうひとつ古い話をすれば、これだけインパクトのある国産車のフロントデザインは、三菱の「GTO」以来でしょう。

車高が上がるために、部厚くなるSUVタイプのフロントのデザインに、スポーティーさを表現するのは至難の業。大抵は一体型の大きなグリルを設けて、存在感と迫力を表現することになります。

ところがC-HRの場合は、上下二段のグリルを採用し、上部はトヨタが世界展開車種に採用している、「キーンルック」特有のシャープな目つきを持たせ、部厚さを感じさせないデザインに、下段は台形をモチーフとしたバンパー形状により、アグレシップさも兼ね備えています。

C-HRをC-HRたらしめるボディサイドのデザイン

車を上から見ると四角形ですが、45度回転すると、前後が尖った菱形になり、タイヤが4隅に張り出します。これがC-HRの目指したダイヤモンドモチーフ。

国産車のスタイリングにありがちな、細かい線は走行中にはほとんど見えないものです。そこで、C-HRの幅広く豊かな造形を実現させたポイントの1つが、深く絞り込まれ、シャープなエッジラインが再現されたキャラクターラインにより、引き締まったボディに対して張り出したフェンダーの存在感です。
まるで「ミニ四駆」の実車版のように張り出したフェンダーに負けず、タイヤの存在感も強烈です。クロスオーバーSUVとしては低めなC-HRの全高に対し、タイヤの高さは690mmもあり、C-HRのデザインの要となる造形となっています。

また、リアドアを開けるためのオープナーをピラーに内蔵したのはキャビンをクーペっぽく見せるための技。扱いずらさと、そのクーペ形状による斜め後方視界の悪さが、専門家に良く指摘されますが、ユーザーは一切不満をのべていません。それは承知の上で「カッコイイ」から購入したので、視界についても「以外に悪くない」という意見の方が多いのです。

ピラーに内蔵のオープナーに至っては、どこに取っ手があるかわからずに、うろたえる同乗者を見るのが優越感だったりするくらいです。

締めくくりはその存在感を見せつけるリアにあり

C-HRのリアコンビランプは、大胆に張り出したブーメラン型とし、極端にワイドに見せる形状は、少し前の「FFセリカ」を彷彿とさせ、地上高の高いクロスオーバーというより、スポーツモデルであることを主張しています。

また、標準で備わる大型のルーフエンドスポイラーの形状も凝りまくっており、傾斜のついたリアウインドウにより、そも大きさもけっして派手ではなく、全体のデザインを締めくくる役割を担っているのです。

次にインテリアも見てみましょう。

あれ?インテリアはどうしたのだろうか

実は、これだけ心躍らされるC-HRですが、インテリアは極めて普通のトヨタ車というのが正直なところ。「センシュアル-テック」をコンセプトに、ハイテクかつ高い機能性をファッショナブルに仕上げたダッシュボードは、メーターを中心としてディスプレイオーディオ・操作パネルをドライバー方向に向けてコンパクトに配置、運転中の視認性や操作性に配慮した機能性はわかります。独立したタッチスクリーンパネルなどもありきたりですが、好感は持てます。

しかし、黒を基調としたリコリスブラウン(濃い茶色)、アナダイズドブルー(発光をイメージしたブルー)、ブラックの3種類を設定したインテリアカラーは正直言って地味。ダイヤル式ではないシフトレバーも普通感丸出しです。

派手で奇抜なインテリアが必ずしも良いわけではありません。落ち着いたインテリアの色調が、運転に集中するために良いのは、試乗すれば納得するでしょう。それでも、webサイトやカタログで観たり、ショールームで実際に乗り込んだ場合、外観のカッコ良さで高揚した気分が、いきなり現実に戻させたような残念なことになりえるのは確かです。

個性がないのはわざと?

ここがC-HR唯一の悩みどころ。欠点と言わないのは結果的にこれで良いということなのですが、カッコ良いデザインだけではなく、「走り」をも求めた結果の苦肉の選択、相反するコンセプトのよじれが、インテリアをごくごく普通のものにしたと言えます。走りだせば欠点などみじんも感じられませんが、何か足りない。

ひょっとすると、完璧なエクステリアと異なり、「スキあり!」のインテリアは、個性を主張するアフターパーツメーカーの腕の見せ所かもしれません。フィット感のあるシートカバーひとつで、その印象がガラリと変わる、無垢のキャンパスのようなインテリアを、あえて造ったのだとしたら、トヨタ恐るべしです。